最近増えてきた8インチ台のUMPCですが、迷った末にGPD P2 Maxをしばらく使ってみることにしましたので、レビューをしてみたいと思います。
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外観のチェック

天板はスペースグレイといった色合いで、かなり質感が高く、高級感があります。

左側面にはUSB Type-Aとイヤホンジャックがあります。

右側面にはUSB Type-A×1・Type-C×1・mini HDMI×1があります。

右上の電源ボタンは指紋認証センサーが組み込まれています。認証精度も高く、ストレスなしでログインできます。
iPadmini4と変わらないサイズ感が売りとのことでしたが、実際はiPadmini4よりは大きいです。しかしこの大きさだと基本的にどんなバッグでも簡単に入ってしまうので、持ち出しに困ることはないでしょう。

純正のケースも売っていますが、愛用のナカバヤシのDIGIO8インチタブレットケース(TBC-FIXF08)にぎりぎり入る大きさです。
純正のケースは本体しか入りませんが、これなら外ポケットがありますので小さいマウスやケーブル・USBメモリなどもまとめて持ち運ぶことができて便利です。
端っこがちょっとぎりぎりなので、ファスナーで本体をガリガリさせないように少し気を使いますが、それ以外は完璧です。
液晶ディスプレイ

GPD P2 MAXは2560×1600ドット(WQXGA)の高精細液晶となっていますが、文字が小さいのでスケーリングで好みの大きさにセット。
視野角は広めで斜めから見ても見やすいです。ただ、光沢液晶なので映り込みはかなり激しいです。好みによってアンチフィルムを貼った方が良いかもしれません。
重さ
重さ650g、実重量もそれほど誤差はなく、軽さだけでは確かに富士通の世界最軽量のモバイルノート(13インチ液晶)と比べてしまうとちょっと苦しいのですが、ボディバッグに入るコンパクトさが本機の売りであり、カフェや電車・飛行機の中でも肩ひじ張らずに気軽に使えることに直結しています。
キーボード・タッチパッド

キーボードのキーピッチやストロークに関してですが、キーピッチはタッチタイピングが十分可能だと判断しました。ただし、キー配列が組み合わせが多くて特殊なので、慣れが必要です。
やはり他の人も言っていますが、音引きがFnキーとの組み合わせというのが結構面倒です。ストロークや打鍵音は特に気にならないレベルで、十分実用的なものとなっています。
タッチパッドについては小さいけどまあなんとか使えるレベルです。光学式トラックポインタなどと比べると十分に優位性はあります。
腰を据えて作業するときはBluetoothマウスを利用した方が当然作業効率が上がります。

キーボードは最初日本語キーボードレイアウトでセットアップされてしまって、後ほど英語キーボードに設定しなおす必要がありました。この辺りは日本で発売されているバージョンは違うのかもしれません。
また、Windows10の設定で優先する言語を日本語にしておかないと、Amazon Photoなど、一部のアプリで自動的に中国サイトへログインしようとするなど、若干気を付けないといけません。
パフォーマンス
本機は第8世代Core m3 -8100Yとメモリーは16G、NVMe SSD512Gを搭載するなど、UMPCカテゴリにおいては最高のスペックを誇り、実際の使用でも高いパフォーマンスが期待できます。
ベンチマークは他のサイトで出ていたので特に掲載はしませんが、基本的にはオフィスソフトの使用やウェブサイトの閲覧などでストレスを感じることは皆無です。
ただし、後述しますがファンの音が煩いので、パフォーマンスを若干低めに設定して使用した方が良いです。
静音性
液体冷却放熱パイプとファンの採用により高負荷時でもパフォーマンスの低下を防ぐ仕様になっていますが、試作機のレビューでは高負荷時のファンの音が気になるとの声がありました。
実際に手元に届いた実機でも、起動後しばらくたつとかなり気になるレベルの排気音がします。基本的には常時ファンが回っているという前提で、静かな環境では気になるかもしれません。
職場のオフィスで使用していたら、同僚にそのPC頑張ってるね!熱くなってる?大丈夫?と声をかけられましたので、他の人も気になるほどの爆音とのことです。
かなりうるさい部類に入るファンの音ですが、BIOSを最新版にアップデートすると若干改善される様です!少なくとも、通常使用する分には何とか気にならないぐらいには落ち着きました。さらに設定でCPUのパフォーマンスを落とせばかなり静かになります。
有志の方が作成されたGPD Pocket用のファンコントロールソフトは試してみましたが実際に効いているのかよくわかりませんでした。P2 MAX対応版が出るのを切に期待します。
キーボードの音に関しては、静かな環境でも全く気にならないレベルです。
バッテリー駆動時間
約9200mAh、35Whの大容量ポリマーリチウム電池を搭載し、1080Pの動画を8時間再生できるとありますが、実際のところ駆動時間はどれくらいなのでしょうか、気になるところです。
実際の運用上はモバイルバッテリーを常に持ち歩いているので駆動時間を気にすることはほぼありません。
USB Type-C 充電器 / バッテリーの動作テスト
他のUMPCであるGPD Pocket2やCHUWEIなどはなぜか充電が12V 仕様でないと充電できないなどの制限があるとの事でしたが、本機では充電周りの仕様はどうなっているのでしょうか。
まずは純正のUSBPDアダプタで測定しました。

一応30W対応なのですが、意外とあまり出力が出ていません。17.7Wぐらいですね。
次に「Anker PowerPort Atom PD 1(PD対応 30W USB-C急速充電器)」を試してみます。ガリウムを採用した超コンパクト設計で、GPD P2 Maxにぴったりのサイズ感です。

実際は24W程度で充電されています。これは十分早いですね!
後日「RAVPower USB-C急速充電器 (PD対応 45W USB-C急速充電器)」を使って充電してみようと思います。
モバイルバッテリーからの充電スピードはどうでしょうか。
「Anker PowerCore 10000 PD」

PD充電ができるかと期待しましたが、最低限の5V1A相当の充電になっています。
最後に日本では売っていませんが、HUAWEIの社長がドヤ顔してたMacBookも充電できるという「HUAWEI 12000 40W SuperCharge Power Bank」を試してみましょう。


19V?の高速充電と思いきや、安定せずに充電がブツブツ切れてしまいます。残念!
まとめ
筆者の使用目的は外でブログがかけること、WEBサイトで航空券やホテルの予約をする、約200Gの音楽や約100Gの写真を保存することが主な用途ですので、本機は容量的にも速度的にも問題なく、画面の大きさも実用の範囲です。
癖のあるキーボード配列は、キーの入れ替えか慣れで対処できます。軽いとはいえ大きなノートPCを持ち歩くのは気合がいります。それに対して本気であれば常時持ち歩いても苦になりません。
また、スペック的にもSurface Goをはるかに上回り、512GBのSSD搭載で7万1千円(中国での予約価格)と、コスパ最高です。
次世代機が来年出るとすれば、キー配列とキーボードバックライトの搭載、できればLTE対応を期待します。(あと、ファンの静音化キーが欲しいです!)8.9インチサイズになって初代ですので、今後改良が進めば本当に最強のUMPCとなるポテンシャルを秘めています。